映画 イレブン・ミニッツ (ネタバレあり)
映画「イレブン・ミニッツ」を観てきました。
ポーランド人監督によるサスペンス映画。
舞台はおそらくワルシャワ。時間は午後5時からの11分間。そこで交差する人々のストーリーを、ざらりとした表現で描いた作品です。
ただそれだけですが、見せ方が上手い!
一つ一つのストーリーが細切れにされ、時に交差しながら描かれる。
どの登場人物も影を抱えており、危ういバランスを保ちながら日々を過ごしていることが透けて見えます。
そしてその「危うさ」を際立たせるのが、重低音が効いた音楽。
不安感や緊張感を煽り、ときに「にやり」とさせてくれます。
いくつものストーリーの中で重なり合うシーンや、思わせぶりな情景、せりふ、行動。
断片的な情報を、頭の中で時系列に並べながら鑑賞していました。
しかし全てがきれいに揃うわけではなく、大半の伏線が回収されないままにラストシーンを迎えます。
その点は多少モヤっとしますが、むしろそれがこの映画の面白さだと思いました。
体系立ったストーリーのもと描かれるのではなく、偶然そこに居合わせた人々のドラマを描いた「だけ」。それ以上でもそれ以下でもないのです。