シン・ゴジラ ~最高のサラリーマン娯楽映画~

公開から2か月ほど経ってようやく観てきました、「シン・ゴジラ」。

面白かった!wそしてこれは「日本のサラリーマンがはまる映画だ」と感じました。

 

 元々、特撮映画やアクション映画にはそこまで興味が無く、本作も(テレビで見ればいいかな)ぐらいに思っていましたが、友人からの評判や日経ビジネスでの連載などの情報を目にして「これは見てみたい…!」と思った次第です。

というのも、怪獣アクションよりも「会議シーン」についての感想や、「周辺情報のリアリティに関する考察」といった情報が多く目に入ったためです。かねてからアクションよりも(それに至るまでの)人間ドラマを見てみたい…と思っていましたので、まさに求めていた映画です。

 

実際の内容も期待通り。作品前半、霞が関がまだ機能を失っていない段階は会議の連続で、(絵にかいたようなニホンノセイジだ…!)と一人やや興奮気味にビールを飲んでいました。緊急事態にもかかわらず、有機的に機能する内閣/官僚機構かっこいい。

そしてこの前半ですが、一般市民が思い描く(=ステレオタイプな)「日本の中枢」を描いているため、リアリティを感じさせています。

後半はその「リアリティ」を排してやや無理のある展開の元(w)、「巨災対(=現場の人間)」が考えた最善の作戦をぐいぐい進めていきます。

個人的には、後半は(なんだかなー)という気分で見ていました。前半が自分好みの描写だったこともありますが。しかし途中から「これはサラリーマン娯楽映画なのか」と気づいてからは、その要素を感じるたびにニヤニヤしていました。笑

 

つまり、会議の多い前半は「サラリーマンあるある」というべきでしょうか。意味もなく開かれる会議、誰のためかわからない規制、使えない役人たち…現場のニーズを知っている人間としては、これらはフラストレーションの対象でしかありません。

しかし後半は「現場のニーズをとらえた作戦を(上層部の意向に反して)遂行する」という展開です。正しいのはやっぱり現場の人間なんだ」と言わんばかりの描写、スカッとしないはずがないでしょう。

これが、シン・ゴジラのヒットした原因か…そう思った次第です。サラリーマン娯楽映画としては最高でしょう。劇場を出た後に友人とあーでもないこーでもないと盛り上がれる映画です。面白かった!